大腸・肛門病

大腸内視鏡検査とは

一般に「大腸カメラ」とも呼ばれ、
肛門から内視鏡を挿入し、
大腸の内部の粘膜を観察する検査です。
さまざまな病変を確認することができますが、
特に大腸がんの発見に有効とされています。
大腸疾患は腹痛・下痢・便秘・下血(鮮血)・
血便(便に血が混じったり付着する)などの症状が
ありますが、大腸ポリープや早期大腸がんは
大きくならない限り、
下血や血便の症状が現れないことが多く、
内視鏡検査(大腸カメラ)で
偶然発見されることも少なくありません

当院の大腸内視鏡検査の特徴

当院の院長は、日本大腸肛門病学会専門医・
日本消化器内視鏡学会専門医です。
長年にわたって肛門や大腸に病気を
抱える多くの患者さまを診てきたため、
その経験や技術を生かし、できるだけ苦痛を
感じない検査をご提供します。
検査を受けた多くの患者さまから、
強い麻酔を使わなくても
「ほとんど痛みを感じなかった」
というお声をいただいています。
ポリープを発見した場合には、大きさにも
よりますが、可能な限りその場で切除し、
切除したものはすぐに病理組織検査に
回すことができ、それ以降の負担を
軽減して治療を進められます。

大腸内視鏡検査の流れ

1前日

お食事は3食召し上がっていただけますが、
ゴマ・果物・野菜・豆・海藻などの消化に
悪いものは避けてください。
夜21時以降は、水以外の飲食は
お控えください。
前日の夜に下剤内服していただきます。

2当日・検査前

朝より、腸洗浄用の下剤を内服していただき、腸内が洗浄されてから検査を行います。
(詳細は予約時に、書式図で看護師が
説明いたします。)

3検査

ベッドに横になり、鎮静剤を使用して、
大腸内を隅々まで検査します。
所要時間はおよそ15分程度ですが、
ポリープの切除をする際はさらに
時間がかかることもあります。

4検査後

検査後は、鎮静剤服用後のため
約1時間程度お休みいただき、
検査結果の説明後にご帰宅となります。
検査終了後のお食事は通常どおり
摂っていただけますが、
ポリープ切除をした場合は、
食事内容や水分摂取について注意点があります。
詳しくは医師の指示に従ってください。

※検査当日の車やバイクの運転は
避けてください。

大腸の病気

急性大腸炎

急激に症状が出現して悪化する腸炎で、
感染性腸炎、虚血性腸炎、偽膜性大腸炎
などがあります。
原因には、
①細菌やウイルス、
②血行性(血液の流れが悪くなる)、
③治療薬(抗生剤)
などがあります。

感染性腸炎

細菌性やウイルスの感染により
炎症を起こす病気です。
治療は抗生剤と輸液による
脱水の緩和を行います。

虚血性腸炎

血液の流れが悪くなる事が原因で
炎症を起こす病気です。
ひどい下血を伴う事も多く
CT検査や内視鏡検査で診断されます。
便秘の改善など保存的治療ですが、
ひどいときは入院治療(禁食と輸液)を行います。

偽膜性大腸炎

抗生剤などの治療薬の内服により
腸内細菌のバランスが崩れ、
腸炎を引き起こします。
治療は原因薬剤の中止と
薬・輸液などの保存的治療です。

慢性腸炎

一般に大腸や小腸の慢性的な炎症、または、
潰瘍を引き起こす病気で炎症性腸疾患(IBD:inflammatory bowel disease)を指します。
症状に波があり、悪くなったり(再燃)と、
よくなったり(緩解)を繰り返しますが、
症状が急激に悪化し重症化する電撃型もあります。
体調不良、不眠、ストレスなどにより
症状は悪化します。
代表的なものに、
潰瘍性大腸炎とクローン病があります。

潰瘍性大腸炎

主に大腸の粘膜を侵し、
びまん性にびらん(粘膜がただれること)、
潰瘍を形成する慢性腸炎です。
治療は軽~中症のときは内服薬や注腸剤、
中~重症例にはステロイド・免疫抑制剤・
血球成分除去療法を行い、場合によっては、
手術に至ることもあります。

クローン病

口腔から肛門まで消化管のあらゆる部位に
非連続性に潰瘍(縦走型)があり、
ろう孔や肛門疾患(痔ろう)などを形成します。
治療は潰瘍性大腸炎の治療に類似しますが、
成分栄養剤による栄養療法も行います。
内科治療が原則ですが、消化管狭窄や
痔ろうなどに対しては手術も行います。

大腸憩室

腸管の壁が弱くなり凹みを形成する病気です。
炎症を生じると腹痛や発熱症状や出血を
起こすことがあります。

大腸ポリープ

腺腫性と非腺腫性(過形成、炎症性など)に
分けられます。
形態は、きのこのように茎がはっきりした形から、
少しだけ盛り上がったタイプ(平坦な形)まで
さまざまです。
大腸を閉塞するぐらい大きくならないと
症状は出ません。
腺腫性ポリープは大きくなると
ガンが混在することがあり、
大腸カメラによる切除の対象になります。
また、切除に伴う病理検査でポリープが
がん化している場合、追加手術が
必要なことがあります。

大腸がん

大腸にできるがん(癌)は、ポリープと
深い関係があり、がんでも粘膜のみの場合は
転移する可能性はなく内視鏡切除で治りますが、
粘膜より深い所まで進行しているときは
転移の可能性があり、手術などの追加治療が
必要となります。
症状が現れにくく、大きくなって腸管の
狭窄や出血が起こるまで自覚症状はありません、
内視鏡検査による早期発見が非常に重要です。

当院の大腸内視鏡検査 実績

2024年
460件
2023年
472件
2022年
474件
2021年
473件
2020年
442件

内視鏡検査 Q&A

Q

痛みなどの症状がないのですが、検査は必要ですか?

A

痛み・違和感などの自覚症状がない場合
でも、体内には異常が発生し、
悪化しているというケースが多々あります。
自覚症状が出たときには病気が進行・
重症化しているということもあるため、
早期に発見・早期の治療開始のためには、
無症状でも定期的に検査を受けることが
とても重要です。

Q

検査の時間や食事制限について教えてください。

A

「大腸内視鏡検査」の、
検査の流れ」をご確認ください。

Q

妊娠中でも検査を
受けられますか?

A

母子への影響(刺激や鎮静剤の副作用など)を考慮し、
できるだけ避けた方がいいでしょう。
但し、胃腸の重篤な病気が考えられる場合や
緊急性が高い場合などは、
妊娠中でも検査を検討することがあります。

Q

どのくらいの費用が
かかりますか?

A

内視鏡検査は保険の対象となります。
但し、負担額によって違いがあり、
カメラでの観察だけで終わる場合と
組織検査を行う場合とでも異なります。
患者さま毎に医師よりしっかりと
お伝えしますが、
事前に気になる場合はご相談ください。